河の流れに身を任せるスローボートの旅
さてミャンマー編の続き。
写真豊富にブログに載せたかったスローボート編。
そもそもこれ乗ろうと思ったのはガイドブックを見ていて、丁度マンダレーを出る日がスローボートに乗れる曜日だったんですよね。
スローボートは毎日運行している訳ではないので「ラッキー!」と乗る事に。
でも乗って良かったです。本当に良かった。
昔家族旅行の際に、で両親が船の旅(佐渡島とか)をさせてくれた
記憶が楽しい思い出として残っているからか、船の旅はいつになっても大好きです。
(そうそう乗る機会ないけど;)
機会あれば是非乗ってみて頂きたいスローボート。
日記というよりほぼレポートですが、ではどうぞ!
当日、夜も明けきらない3時40分(意味がわからない…)にのっそり起床。
そして4時20分にはパッキングを終え宿のロビーへ。
昨日宿の人にバイクでの送迎を頼んでおいたのです。
スローボート乗り場までは30分と聞いてたものの、すいてたせいか10分で到着。
寒いマンダレーの朝、バイクの風はこたえたぜ!笑 ブルッ。
バイクから降り宿の人にお礼を言いお別れ。
土手を下ると、真っ暗の河の上にぼんやり光る船が….。
ひっそりとした朝の空気の中、人が乗っている部分だけ光るスローボートは
何故こんなにもドキドキするのか。
早朝という時間、朝日がこれから空から昇る興奮
(日の出の瞬間てなんだかそわそわしませんか)出発のワクワク感、
そういうものが全て相まってなんとも言えない気持ちにさせます。
外側から。
船に乗り込むとすでに多くの人達が。ちなみに外人席は二階。
一階はミャンマー人が多くの荷物と共に毛布を敷いて寝込んでおり足の踏み場もないほど。
外人席と地元民席がぱっきりと別れているのが何とも切ない。
(でもしょうがないのかな….外人価格を支払っているのもあるからか)
外人の我々はこのプラスチック製の椅子に座ります。
船の待ち合いスペースには食堂もあり。
すでに先にフランス人マダム二人が一番に座り込んでいたので、
(河側の一列目(風景が一番よく見える))
私も「ボンジュール」と挨拶されつつその隣に座ります。
(指定席ではないので、当然早く着いた人が好きな場所に座れます。)
でも出発寸前、チケットの提示を求められる場面で
フランス人マダム達はチケットも持たずに乗り来んでいたことが発覚!
ボートは予約が基本みたいだけど….すごいな~強かだな~。
もし乗船拒否されたらどうしようとか思わないのかな?
でもおおらかな船のスタッフに
「いいよいいよ、清算するから下に来て」と
言われてるのに動きたくないのか「ここでしてよ」という態度をしているのもどうかと….。
うーむ、フランスならまかり通る事なのかもしれん。
というか、歳を重ねるにつれ割と大抵のことはどうにかなると思っちゃうのかもしれん。(これはどこの国の人も一緒だけどな)
外国人席の周囲は西洋人の姿が多く見られました。
日本人は私含め二人?(降りる時に気付いた)
さて、5:30を少し越えた所で汽笛と共に船は出発。
ここから14時間程かけ、船はバガンを目指し水の上を走ります。
ほそーいお月様と並走する船。
空はやがてゆっくりと明るくなり….。うっとりするほど奇麗。
遠くのパゴタや、
大きな船、
小さな船。
橋を越えて。
明るくなって来たら船の中がよくわかります。
気になる食べ物は胃の中に収めないと気が済まない私は船のはじっこの小さな食堂スペースにて朝食。
塩気の強いマメと、目玉焼きと、なんかおばちゃんがモミモミしてくれたちょっとだけ味付きの米。
素朴だけれど十分お腹にたまる朝食。あとお茶も。
朝日が昇りました。
夕陽かとみまごう程強烈に、燦々と降り注ぐオレンジ色の光。
なんだかとても神妙な気持ちになりました、そんな一日の始まり….。
そこで早起きしたこともあり、一列目の席に戻り、睡眠….
はっ、と気付くと朝日はもうかなり上の方まで上がっており、
顔にじりじり焼け付く昼間の光。
と、目の前に差し出されるスイカ。
寝起きの頭で「ちょっと高いなー…」と思いましたが反射的に買いました。美味しそうだったので。笑
スイカの種を河にプップッと飛ばしながら食べ終え、船内散策。
といっても小さい船なのですぐ終わるんだけどね。
下の階に降りた所でトイレを見つけ、ドアを開けたのですが転んだら終わりな雰囲気のトイレでした。
穴から河までダイレクト。
まあ快腸な私は幾度となくここを利用して河に置き土産をしましたが。
思わず頭の中に「君は奈落を見た事があるか」というキャッチフレーズが浮かびました。(なんやねんソレ?)
奈落便所。
(まあ到着寸前、奈落便所に慣れたところで二階に外人用の奇麗?な
トイレがあるのを発見したんですけどね。
てかだから外人下の階で見なかったんだあー☆(てへっ)気付くのおそっ。笑)
さて買っておいたクッキーをぼりぼり食べたりしてましたが、
おおっ、なにやら船が岸に。
外を見るとざわざわざわ。
売り子さんの集団がー!!!皆頭の上に商品を並べて!!
もはや「新しい帽子のかたち」の提案。
船に木の橋が渡されると、どどどどーっと勢いよく売り子さん達が乗り込んできます!
船内、大混雑。正月のセール会場か。
私もいくつか美味しそうなものを購入。
船内で販売されるものは大抵一律1000K(=約100円(2012年12月時点))
とやけに高値で売って来ます。
(こちらではお茶が一杯300K(約30円)なので…高いよね)
私はとうもろこし(500K)と包子二個(パオシー)(1000K)をお買い上げ。
でも椅子に包子置いて一階行ってたら無くなってたーー!(なんで!)
なので一個だけまた包子(500K)再購入。
てか一個でいいのに少しでも売りたいから抱き合わせで売ろうとしてくるのがちょっと煩わしい。
ちなみに包子の中身はココナッツの実を刻んだものに砂糖を炒めた
甘い餡でした。食感は「ジャギジャギ」。
一階にいたこの可愛いわんこに気を取られてたら包子無くなってたからね。ううう。
ううう可愛い。
岸には何度もついて、降りて行く人や物を売りにくる人など。
売り子さんはやけにバナナ押しで、岸に着く前から
バナナを二階部分めがけて放り投げて来るなど、もはや商品でなくバナナ=凶器になってましたからね。(隣のマダムの頭にヒットしてたし….)ひどい。
暑いから犬も泳ぐよ
船内の物販。
船から岸を見た所
外人席の我々は本を読んだり昼寝をしたり、風景を楽しんだり。
一列目は景色がよく見えるけど直射日光がハンパないので
日よけの布か、帽子必須ですね。私も布ぐるぐる巻きにして昼寝してました。
途中、餅(1000K=約100円)を買ってみました。
黒い部分が歯ごたえのある米が混ざった餅で、
白い部分がプレーンな日本の正月で出て来そうな餅。
夕方、岸についたらあの可愛い仔犬はお姉さんに連れられ降りて行きました。幸せになるんだよ….。
お姉さんのバッグに一時閉じ込められ「きゅーん!きゅーん!」と船まで届く声で鳴くわんこ。
あまりに鳴くので出して貰ったらおとなしくなった模様。笑 可愛い。
夕暮れになるにつれミャンマー人の方々も少なくなってきました。
私は外人席が少し窮屈になってきたのでミャンマー席に移動。
朝スイカを売ってくれたおばちゃんが
「外国人は買い物しないのよね~あなたが朝スイカ買ってくれたのは
ラッキーマネーだったわあ~」
とか何とか話しながら、床に敷いたボロきれを差し「そこに寝て良いよ」
と言ってくれました。
お言葉に甘えそこに横になる私。
寝ながら雑談したのですが「子供が三人いて主人が死んでもう大変」とのこと。そ、そうか….(本当かどうかわからないけど)
でも同情を引きたいとかでなく淡々と話してる感じはしました。
昼寝してたら歯がぼろっぼろのおばあちゃんが勝手にマッサージ
してきてやけに高い金額を要求してきて困りました….いや、プロでもないし頼んだわけでもないし。
嫌気がさし外人席に戻る私……..くっ。
なんだかんだ食べ続けているものの何故かお腹は減るわけで、お茶を飲んだりオクラとか知らない野菜を頂いたり。
(これは食堂スペースの主人の食事の残り)
お茶。
うわあーオクラだあー美味しいーと食らいつく私を笑うミャンマー人。
だって美味しかったよ、オクラ。
しばらくすると、朝日が登る様にまたひっそりと夕陽が沈みます。
美しい。
言葉を失う。
夕暮れのあとの船内
さよなら~夕陽~。船で一人で外を見ていると、船で働いてるというミャンマー青年に
洗面器かっつー大きさのアルミ皿に入った肉と野菜の入った丼を勧められ…..
どんだけ私を肥えさす気ですかっ!
食べたけどな。美味だったけどな。
食べてる自分を思って「犬…?」ってちょっと思っちゃったけど。
猛烈に勧められちょっと困りました。
犬化。
さてもう夜….時刻は7時。そろそろバガンに到着する時間です。
ほぼ7時の定時にバガンに到着。
どどど、と出口に人が詰めかけます。
岸には客引きのリキシャワーラーが。
適当に乗って宿のある場所を目指して貰います。
目当ての宿がどこもフルで泊まれるか不安になりましたが、
なんとかなりました….
14時間かけて移動する、ゆった~りしたまさに「スロー」ボートな旅、
でもミャンマー人とのやりとり、変わりゆく景色、空の色、そんなものを眺めていると意外に短く感じました。
18000K(約1800円)でこんな体験出来るなんて、なんて素晴らしいんだミャンマー。
(ミャンマー人の商魂の逞しさも実感しましたが….)
さて明日はバガン遺跡巡り!!
めっちゃ数あるけど、全部まわれる…….のか?!